インプットにばかり注力してしまう
仕事でも趣味でも、まず入門書で基本的な知識を完全にインプットしてから始めようと考えてしまいます。
全く初めての領域で、出てくる用語自体が全く分からない場合には、基本的な言葉を理解することは必要でしょう。
しかし、知識には限界がなく、学ぼうと思えばいくらでも学ぶものはあります。
知識が増えることは楽しいため、自分で見切りを付けないとキリがなく、知識は増えたもののやるべきことは何も進んでいない事態になりがちです。
それでは、学んだことが最終目的に対しては、全く役に立っていないことになってしまいます。
そこで、知識を入れることばかりにとらわれず、仕事や趣味に取り組みながら知識を入れることが大切です。
走りながら学ぶと生きた知識が身につく
ブログの立ち上げ
私の最近の経験ですが、どのようにブログを立ち上げたらよいか分からなかったため、何冊か本を購入して読むことから始めました。
そして、サーバーやドメインの契約は行ったのですが、実際にブログを書くまでには間がありました。
どう書いたら伝わるブログになるか、文字の大きさはどのようにしたらよいか、など、気になることがたくさんあり、できる自信が湧くまでは書き始められなかったのです。
しかし、このままではいつまで経っても始められないと考え直し、書き始めることにしました。
実際に書き始めてみると、古いシステムと新しいシステムの互換性に悩んだり、思ったように表が作れなかったりと、色々なトラブルに見舞われています。
しかし、その都度、本やインターネット検索により解決法を見付け、何とか書き進めています。
実際に取り組んでいるからこそ、生きた課題に直面し、それを解決することによって生きた知識・経験が積み重ねられています。
思ったように解決できなく妥協することもありますが、少しばかり構成が美しくなくても、内容が伝わればよいと、失礼ながら割り切っています。
出来範囲の努力はしていますので、ご容赦いただけますと幸いです。
実際に始めてみて感じることは、本の網羅的な知識は必要ないということです。
開始前に必要がないことも多く、必要になったら学べばよいことがほとんどです。
システム関係の知識は、あっという間に古くなりますので、網羅的に学ぶよりも、始めるのが得策だったと感じています。
仕事や研究でも走りながら学習
経営コンサルタントの仕事では、ざっと業界知識を入れたならば、クライアントにお会いし、実際の課題に取り組んでいました。
そして、課題解決に取り組みながら業界知識も深まり、最終報告の頃には多くの生きた知識を身につけていました。
研究生活でも、研究対象の遺伝子や生物の知識を深める前に、とりあえず言われるまま実験を開始し、その合間に論文を読んで学んだものでした。
厚い教科書の網羅的な知識は役に立ちますが、研究対象の知識を深めるだけでも研究は進められます。
思い切って始めてみることが大切
期限がある仕事や研究では、学びが不十分でも始めることができました。
しかし、自分の都合で開始するかを決められるブログ作成では、知識を入れないことには始められないという錯覚に陥っていたのです。
だからこそ、たとえ見切り発車でも始めることが大切です。
間違いをしないようにと、完全なインプットを求めてしまいます。
しかし、現実的に失敗をしないことは不可能です。
目指すべきは、失敗しないことではなく、最終的にきちんとしたものを作ることだと思います。
なかなか難しいことですが、興味があればまず始めてみることだと思います。
私も、やりたいと思いながら後回しになっていることがたくさんありますが、フットワーク軽く始めようと思い直しました。
きっと、完全を求めてやらないよりも、楽しい日々が待っていると思います。
都内国立大学で、微生物や植物細胞を用いた研究を行った後、がん遺伝子やレトロウイルスの研究を行い、博士(医学)を取得しました。会社員生活を経た後、実定法から基礎法まで幅広く学び、法務博士(専門職)を取得しました。
大学院修了後には、戦略系経営コンサルティングファームに入社し、製造業やサービス業の、業務改革や新規事業開発に取り組みました。その後、創薬系バイオベンチャーで、がん治療に関する研究開発・事業開発を行いました。現在は、訴訟関連の法務サービスに従事しています。