予測可能性を高めることの大切さ~早めの案内で行動準備~

劇場での規制退場

退場順の事前案内の有無

劇場での公演が再開され、時々劇場に足を運ぶようになりました。
公演によっては、混雑をさけるために、規制退場のご案内があることがあります。
(1)ある公演では、規制退場があることの案内が開演前や休憩中にあり、公演終了後に具体的な順番が案内されました。
(2)一方で、ある公演では、規制退場がある旨の案内とともに、規制退場の順番も同時に案内されました。
どちらの案内方法にも理由はあると思いますが、規制退場があることの案内と同時に順番も案内した方がよいと、私は思います。
その理由は、求められる行動を事前に知っておいた方が、落ち着いて行動できるからです。

事前案内がないと不安になる

規制退場があるとの案内だけがされた公演では、終演とともに立ち上がる人が多く見られました。
規制退場があるとは分かっていても、終演後すぐに具体的な順番が示されないと不安になり、立ち上がってしまうのだと思います。
一方で、規制退場の順番も事前に案内されていた公演では、急いでいる人以外は席に座って待っていました。

きっと、事前に退場の順番を案内しても覚えていないことを想像したり、長いアナウンスは聞いてもらえないことを想定して、具体的な内容を案内しないのだと思います。
確かに、すべての人が正確に覚えているとは限りません。
しかし、後方からだな、とか、1列ごとだな、などど、おおよその情報は覚えているものです。
すると、終演後に座っているべきか、を事前に想定することができ、安心して行動できます。

規制退場理由をする必要はない

また、終演後に初めて案内がある場合に、「感染拡大防止のため」などの説明が再度行われることがあります。
確かに、理由を説明することは大切です。
しかし、帰路を急ぎたい終演後に冗長な説明は不要です。
理由の説明がなくても、来場者は理由が分かりますので、終演後速やかに具体的な案内をすべきです。

もっとも、終演後すぐの案内ですと、公演の余韻をさえぎってしまいます。
余韻を楽しむためにも、あらかじめ案内することは大切だと思うのです。

飛行機からの降機順の案内

先日、飛行機に搭乗した際にも、降機順の案内がありました。
アナウンスは、着陸後にゲートに着くまでの間になされました。
この場合には、降機直前のアナウンスが適していると感じました。

飛行機が着陸してから降機するまでに、乗客は特にすることはありません。
そこで、飛行機が停止するまでの降機直前の時間に案内すれば、乗客は自分の降機タイミングを理解し、適切な行動をとることができます。

確かにケースによって、案内のタイミングは異なると思います。
大切なのは、案内した順番に行動してもらうことであり、そのために行動する人を不安に陥れないことが必要です。
動けるのに、動いてよいか分からないと、人は不安になります。
不安にしないためにも、ケースによってはあらかじめ案内し、予測可能性を高めておくことが必要です。

予測可能性を高める ~早めに案内を~

主に、公演からの規制退場について述べました。
普段の生活でも、会議が行われるか待ち合わせるのか、などについて、分かり次第早めに案内することが必要です。
予測可能性を高めることにより、不安が少なくなり、安心して行動することが出来るようになります。