チャレンジは大切だができないこともある
夢を語ると、頑張ればできると励まされることが多い気がします。
何事もチャレンジしてみないと、できるかできないか分からないことはたくさんありますので、チャレンジしてみることはとても大切です。
しかし、残念ながら上手く行かないことも多々あります。
そういう状況になっても頑張り続ける必要があるかというと、頑張り続ける必要はないと思います。
できる人がいるからといって自分には向いていないこともありますし、そもそも人間には無理なこともあります。
あらゆる分野でできないことはある
学生時代に部活などで走る機会は多々ありましたが、100mを10秒で走ることはできませんでした。
また、部活動で野球に取り組んで、気持ちの中では甲子園を目指していましたが、150km/hの速球を投げることもできませんでした。
確かに、教えるのがうまい指導者と巡り合っていれば到達できた可能性は論理的にはゼロではありませんが、自分の感覚では、可能性はゼロです。
歌唱でも、高音を出すことにも限界があります。
人体の構造上、ある程度の限界がどうしてもあるのです。
学校の勉強でも、何でも覚えられる訳ではありません。
私の経験ですが、数学や理科の公式など、感覚でつかめることは覚えることはできました。
しかし、外国人の名前や百人一首、英単語など、感覚でつかめないことは覚えられませんでした。
科学研究においても、世界を一変させるような発見を目指したこともありました。
しかし、科学研究は努力すれば大発見ができる訳ではなく、偶然結果が出たなどの運の要素の方が大きいと感じます。
確かに、何かを目指して努力する、チャレンジすることは大切です。
そして、努力を続けることに成し遂げられることもあります。
しかし、成し遂げられるまで継続することは必ずしも必要ありません。
時間は有限ですから、自分に向いているか否かを見極めて、別の道に進むことにも意味があります。
チャレンジした経験は生きてきますし、できないことを知ることも人生においては大切です。
できないことを責めない
何より大切なことは、できない自分を責めないことです。
一人ひとり、持って生まれたものは違いますし、できないことがあるのは自然なことです。
できないことがあると、努力が足りないと考えがちですが、残念ながら努力してもできないことがあります。
これは、本人が意識するのと同じくらい、周囲の人も意識する必要があります。
ついつい、自分ができることをできない人がいますと、努力が足りないと責めてしまうことがあります。
しかし、責めたからといってできることばかりではありません。
できるように生まれたことを感謝して、本人が無理をしていないか考えることが大切です。
新型コロナウイルス感染を完全に防ぐことはできない
毎日のように報道される新型コロナウイルスですが、感染してはいけないと恐れながら生活している人が多いと思います。
確かに、命に関わる可能性がある訳ですから、感染しないに越したことはない気がします。
しかし、感染を完全に防ぐことはできないのですから、できるだけの対策をして、感染したら仕方がないと割り切ることも必要です。
感染予防策として、マスクの着用や手洗いが推奨されています。
確かに、効果が全くない訳ではありませんので、対策することは必要です。
しかし、高機能マスクをしっかり着用しても、マスクの隙間からウイルスが体内に侵入することはあります。
また、どれだけ丁寧に手洗いをしても、手にウイルスが付着していたならば、完全に取り除くことはできません。
そして、十分な量のウイルスが体内に入り、生体防御機構をすり抜けたならば、感染してしまうこともあります。
ここで大切なのは、感染したことは、自分の努力不足であると考えないことです。
そもそも完全に感染を防ぐことはできないのですから、できないことを責めても仕方がありません。
時々、「マスクをしていたのに感染した。」という発言を聞きますが、布マスクなどではほとんど防げないのですから、マスクの防御効果を過大評価してはいけません。
四六時中、感染予防にばかり意識を働かすことはできませんし、ウイルスのことばかり考えていては、ストレスがたまり体調を崩してしまいます。
感染経路は、結局のところ分かりませんし、感染を完全に防ぐ手段はないのですから、必要以上に考えても仕方がありません。
個人的には、マスク着用や手洗いよりも、ウイルスに対し免疫などの生体防御機構がきちんと対応してくれるように、体調を整えるくらいかなと思っています。
ゆったりと構え人生を豊かに
人間にはできないこともあります。
そして、できないことを責めても仕方がありません。
できないものは仕方ないと、どこかゆったりと構えることも、人生を豊かにする一法ではないかと思います。
都内国立大学で、微生物や植物細胞を用いた研究を行った後、がん遺伝子やレトロウイルスの研究を行い、博士(医学)を取得しました。会社員生活を経た後、実定法から基礎法まで幅広く学び、法務博士(専門職)を取得しました。
大学院修了後には、戦略系経営コンサルティングファームに入社し、製造業やサービス業の、業務改革や新規事業開発に取り組みました。その後、創薬系バイオベンチャーで、がん治療に関する研究開発・事業開発を行いました。現在は、訴訟関連の法務サービスに従事しています。