全集や叢書を読めるチャンス!休み時間の有効活用

全集・叢書にチャレンジ

学校が休みになり、時間を持て余している学生の皆さんもいらっしゃると思います。
せっかく自由な時間があるのですから、まとめて本を読む機会にしてみてはいかがでしょうか。

図書館や本屋さんに行くと、「世界文学全集」や「日本の歴史」などの全集・叢書が並んでいます。
15冊や30冊のシリーズと聞くだけで、量が多いと感じ、ずらっと並んでいるのを見るだけで、二の足を踏んでしまうことも多いと思います。
しかし、今この時間にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

たとえ、休校期間中に全部を読み終えられなくても大丈夫です。
読む習慣がつくと、学校が再開しても読み進めることができるものです。
文学や歴史の面白さに目覚めてしまい、読むことがやめられなくなってしまうかもしれません。
また、たとえ途中で中断することになっても、読んだ分は身になりますから、チャレンジしたことは無駄にはなりません。

私は、ケガで中学2年生の1学期を長期欠席した時に、「日本の歴史」や「世界の歴史」の漫画シリーズを読むことによって、初めて歴史に興味を持つことができました。
学校の勉強に役立てようとは全く思っていませんでしたが、結果として授業の理解の助けにはなっていたと思います。
また、小学校時代、中学1年生の時には、文学に全く興味がなかったのですが、モーリス・ルブラン作「アルセーヌ=ルパン全集」を読むことにより、物語を読むことの楽しさに気付きました。
そして、読書好きの人にはとてもかないませんが、書店に並ぶ小説を購入するようになりました。

歴史の時間的・空間的広がりを感じる

歴史上の事件を見ると、どうしてそんなことが起こったのか理解できないこともあります。
しかし、それは今の価値観で考えてしまっているからであり、過去の基準では普通のことなのかもしれません。
たとえ、今を生きる者としては賛成できないとしても、そういう時代があったことを知ることはできます。
時代ごとの考え方の変遷に気付くと、テーマを持って歴史を眺めることができるようになるかもしれません。
一見無関係に思える事件が、背景で影響を及ぼしていることに気付くかもしれません。
また、日本の歴史が海外の国々との交流により変化していることも見えてきます。
歴史を単なる点の事象としてではなく、時間的・空間的な広がりのあるものとしてとらえると、重層的な面白さを味わうことができるのではないでしょうか。

新鮮な感想はかけがえのないもの

文学作品の中には難解といわれるものもあり、読んだ時には何を言いたいのかつかめないこともあると思います。
しかし、読んだ時の素直な感想を大切にしてほしいと思います。
なぜなら、若い時の感想は、年齢を重ねてしまうと再びは持てないからです。
また、初読時の新鮮な感動は、二度目には沸き上がりません。
作者が言いたいことを理解しなければならないという風潮もありますが、物語を読んでどう思うかは読者の自由です。
内容によっては、社会経験を積むことにより、感想が変わることがあると思いますが、それが読書の楽しみの一つです。

年齢を重ねると、新たな視点が増え、ものの見方も変わり、理解できることがあります。
本の話ではない経験ですが、友人に、10年前に私が言っていたことがやっと理解できようになった、と言われたことがあります。
また、父が私の子どもの頃に言っていたのと同じことを、大人になった私が言っていて、驚くこともあります。
人間は変わるものであり、心の変化を楽しめばよいのです。

読書に費やせる貴重な時間

人生において、まとめて本を読む時間はなかなか取れないものです。
私は、学生時代に「世界文学全集」などを読んでおけばよかったと今になって思っております。
若い貴重な時間を、読書にあてるのは素晴らしいことですので、おススメです。

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