完璧な英語でなくても何とかなる
英語を話す目的はコミュニケーション
文法的に正しい英語を話さねばならないと思ったり、どの単語を使うかに迷ったりすることが、要因ではないかと思います。
言うならば、完璧な英語を話そうとするからなのです。
仕事でのディスカッションや海外一人旅を経験するにつれ、それほどしっかりした英語でなくても何とかなるな、と思えるようになってきました。
英語を話す目的はコミュニケーションをとることであり、完璧な英語でなくても大丈夫なのです。
むしろ、何も言わない方が、仕事上も旅行上もマイナスとなることは多くあります。
英語ネイティブの人でも文法の間違いは頻繁にあることを考えると、文法の小さな間違いを気にする必要はありません。
これは、日本人が日本語を話す場合に、文法間違いをしてしまうことを想像すると、分かりやすいでしょう。
しかし、文法や単語の間違いは、気付く人は気付いています。
めったにありませんが、ネイティブが単語の間違いを教えてくれることもあります。
言い間違いを指摘することを、多くの人は遠慮するからでしょう。
そして、こちらの英語力を見極めて合わせてくれているのだと思います。
時と場所によっては、きちんとした言葉遣いも必要
もっとも、時と場所によっては、きちんとした英語を準備すべき場合もあります。
公の場でのスピーチでは、場にふさわしい言葉遣いが求められるでしょう。
また、英語力が必要な交渉の場では、使う英語によって見下されることもあります。
しかし、日常生活では、コミュニケーションがとれれば十分だと思います。
社内では早めに報告
資料作成はドラフト段階で相談
同じことは仕事をしていても感じます。
多くの場合、外部に公表するときと、内部で議論するときで、分けられるのではないでしょうか。
ビジネスにおいて資料作成を任された場合、作成途中のドラフト段階で上司に報告することは有益です。
上司の意図した方向で作成できているか確認でき、方向修正が可能となるからです。
自分の中での完璧を目指し、締め切りギリギリに報告したところ、方向が間違っていたと判明することがあります。
方向修正が間に合わずトラブルを起こしたり、チームメンバーに迷惑をかけてやっと間に合わせたりすることにもなるでしょう。
上司の意図によって目的が変わりえるビジネスでは、早めの報告、相談が有益です。
そして、外部に発表するものを良いものにするのです。
早めの報告で議論を深める
研究においては、実験の進捗状況を報告することは必要です。
自分一人では気付かないことも、他人と話すことによって気付くことがあるからです。
何か面白い発見があった場合、完全な検証ではなくても報告することにより、議論が早い段階から深まることもありますし、研究方向の修正も可能になります。
じっくり検証して確度を高めることも大切なことですが、報告が遅れることのマイナスもある訳です。
そして、論文を発表する際に、きちんとした検証結果を示せばよいのです。
もっとも、研究の精度は、時と場合により変化することがあります。
現在、新型コロナウイルスに関連した研究は、査読前でも公表されています。
できるだけ早く知見を集めることにより、さまざまな可能性を検討するためでしょう。
即時性が求められる事態においてとられる対応は、素晴らしいと思います。
ケースに応じて、完璧を目指すか否かを判断
完璧を目指す必要はないと書いてきましたが、私は時間をかけて完璧なものに近づける方が好きです。
しかし、ケースに応じて使い分ける必要があります。
その場で解決することが優先されたり、自分一人では引き受けられない期限のある仕事などでは、完璧を目指すよりも不完全でも相談するべきでしょう。
一方で、時間をかけても優れたものがつくるべき場合もあるでしょうし、自己研鑽では完璧なものを目指すべきです。
なかなか、ケースに応じて思考を転換することは難しいですが、柔軟さを持って判断すると楽に生きられると、私は感じています。
都内国立大学で、微生物や植物細胞を用いた研究を行った後、がん遺伝子やレトロウイルスの研究を行い、博士(医学)を取得しました。会社員生活を経た後、実定法から基礎法まで幅広く学び、法務博士(専門職)を取得しました。
大学院修了後には、戦略系経営コンサルティングファームに入社し、製造業やサービス業の、業務改革や新規事業開発に取り組みました。その後、創薬系バイオベンチャーで、がん治療に関する研究開発・事業開発を行いました。現在は、訴訟関連の法務サービスに従事しています。